蜂の子に毒の心配はないのか

蜂の子を摂取する際に毒の心配をする必要はありません。
蜂の子として摂取される蜂の幼虫やサナギには、毒が含まれていません。また、体内に毒が含まれている成虫を食べたとしても、毒が問題になることはほぼありません。

蜂の幼虫やサナギには毒がない

「蜂」と聞くと「毒」を連想してしまい、蜂の子の摂取に不安を感じる人がいるかもしれません。しかし、蜂の子には毒が含まれておらず、蜂の子を摂取する際に毒の心配をする必要はありません。

蜂の毒針は、もともとは産卵管です。木の中などに産卵するために硬い針状の産卵管が発達し、それが変化したものが蜂の毒針です。
蜂の子は、蜂の幼虫やサナギです。幼虫やサナギの段階では生殖器が発達しておらず、毒や毒針がありません。蜂の子は安心して食べることができます。

蜂の成虫を食べても大丈夫

体内に毒がある蜂の成虫を食べても、毒が問題になることは基本的にありません。蜂の毒は加熱処理やアルコールによって変性するほか、胃液などの消化液で分解されます。
蜂の子には、幼虫やサナギだけでなく羽化直前の個体も含まれています。そうした成虫に近い個体の場合は体内に毒がある可能性もありますが、摂取しても問題ありません。

毒は熱で変性する

蜂の毒はタンパク質などで構成されており、熱を加えると変性して無毒化されます。蜂の子は調理してから摂取するのが一般的であり、羽化直前の個体が体内に毒をもっていたとしても、調理の段階で分解されます。

アルコールに漬けることでも無毒化される

熊本県の一部地域では、スズメバチの成虫を漬け込んだお酒が薬膳酒として伝統的に飲まれています。
スズメバチをお酒に漬け込む際には、加熱処理などは行われず、生きたまま焼酎漬けにされます。毒の心配はないのかと不安に思うかもしれませんが、蜂の毒はアルコールと反応することで変性して無毒化されます。
アルコールによって無毒化する手法は、マムシ酒などのヘビ酒でも行われています。

蜂の毒は消化される

蜂の毒は、アミノ酸が複数結合した「ペプチド」や、タンパク質、酵素類などのさまざまな物質が混合されたものです。これらは針によって体内に注入されると強い毒性を発揮しますが、口から摂取した場合は胃液などの消化液によって分解されます。
そのため、口の中が傷ついている場合などを除いて、仮に毒が体内に残っている蜂を食べたとしても毒が問題になることはありません。

蜂の子は加熱してから食べる

なお、毒の心配がないからといって、蜂の子を生で食べてはいけません。
蜂の子を生で食べても毒の心配はありませんが、蜂の子に雑菌が付着している場合や、体内に寄生虫がいる場合があります。
蜂の子の採取が盛んな地域では蜂の子を生で食べる人もいますが、体調不良を防ぐためにも、必ず加熱処理してから食べるようにしましょう。

アレルギーには注意

以上のように、蜂の子を食べる際に毒の心配をする必要はありません。
しかし、蜂の子の摂取でごく稀にアレルギー症状が起こる場合があります。

アレルギーは身体の免疫機能が特定の物質に過剰に反応することで起こり、その原因物質のほとんどはタンパク質です。蜂の子にはタンパク質が豊富に含まれており、タンパク質を含むほかの食品と同じく、アレルギーの原因になる場合があります。

蜂の子によるアレルギーに関して詳しくはこちら>>

蜂の子は毒の心配がなく安心して摂取できますが、念のためアレルギーには注意しましょう。